本編– category –
-
Japan Home
0071.大きなプレゼント計画
帰宅 レオンがキッチンで包丁を動かす中、九条はソファに深く腰を下ろした。 その隣、やや控えるように氷川が立っている。 本来、彼がこの空間まで上がってくることはない。 だが今夜は九条から「少し話がある」と言われ、そのまま一緒にエレベーターに乗... -
Japan Home
0072.混沌の会場
離れる時が近い ベッドの中。部屋は暗く、カーテンの隙間からビルの明かりだけが差し込んでいる。 九条は仰向けに寝て、澪はその胸に頬を寄せたまま、耳を澄ませていた。 呼吸の音、心臓の音、それだけがすぐそばにある夜。 「……今日、楽しかった」 「そう... -
Japan Home
0073.真相
合点 「……ってことは、執事服の仮縫いのためにイギリスに行くと。そのままドバイ入りするから、移動の回数を減らすために全員移動する、と」 志水は、淡々と状況を整理するように呟いた。 氷川は何も言わなかったが、それが“正解”であることは、否定しない... -
Japan Home
0074.旅への準備
私怨 コートの端で、蓮見がぜえぜえと肩で息をしながら倒れ込んでいた。 一方、ボールを打ち尽くしてもなお険しい表情のまま、九条はラケットを肩に担ぐ。 「……くだらないことを言ってないで、練習再開だ」 その声は低く、まったく熱を帯びていない。 けれ... -
Japan Home
0075.バレンタイン
事後報告 レオンがキッチンから顔を出す。 「澪さん、明日も出勤?」 「んーん、リモート!」 澪はピースして笑う。 「夜は空港まで自分で行くから、待ち合わせで!」 「……あ、そうだ」 レオンが何かを思い出したように声を上げた。 「九条さん、チームメ... -
Japan Home
0076.空港
待ち合わせ スーツケースを引き、澪は足元を見ながら歩いていた。 スマホで九条との待ち合わせ場所を確認しつつ、ハンドバッグの中にそっと手を入れる。中には、焼いたロッククッキー。緩衝材代わりに入れた柔らかいタオルの奥に、ぎゅっと隠すように詰め... -
Savile Row
0077.離陸
機内食 離陸からしばらくして、シートベルト着用サインが消えると、機内が少しだけ静まり返った。 空の上とは思えないほど穏やかな滑空に揺られていると、ふわりと漂う香ばしい匂いが、澪の鼻先をかすめる。 「お食事の準備が整いました」フライトアテンダ... -
Japan Home
0062.2月8日(土) 買い物→20の質問ゲーム
あと12日 目を開けた瞬間、まだカーテンの隙間からはやわらかい朝の光が滲んでいた。 ぼんやりと天井を見つめながら、澪は静かに呼吸を整える。 (……寝てた、ちゃんと) 昨夜のことを思い返すと、身体の奥にまだ微かに残る余韻がある。 すぐ横に彼がいな... -
Japan Home
0058.2月5日(水)
Wake Up 翌朝 — 2月5日(水) 目を覚ますと、まず先に身体が目覚めていた。 軽い。 全身に張り詰めていた負荷の残り香が、きれいに消えている。 (……完全に抜けた) ゆっくりと息を吐き、寝返りを打つと、隣に澪の温かな気配があった。 安定した呼吸。小さ... -
Japan Home
0059.2月5日 澪のお迎え
仕事終わり、また見覚えのある黒い車がオフィス前に停まっていた。 なかなか見かけない高級車。しかもピカピカに磨き上げられてるから、退社した人々がチラチラ見ていく。 レクサス自体は割とよく見かけるんだけどな…。 ランクと、後部座席フルスモークっ...