制作秘話

こんにちは。

このサイトの名前でもあり、物語『Unnamed ReBirth』を制作している綴雨灯です。
「つづさめ」って呼んでくれてもいいですし、忘れても大丈夫です。

このページでは、本編では描かれないちょっとした制作裏話や、
キャラクターたちの役割について補足していきます。

読んでも読まなくても、物語の本筋には何の問題もありません。

でも、読んだら少しだけ――ほんの少しだけ、本編の見え方が変わるかもしれません。

目次

🧊 1月:九条雅臣。たぶん人間じゃなかった頃。

🔹血の通わない演算機

この頃の主人公、九条雅臣は「血の通わない演算機」。

感情を捨てたのではなく、自覚できず、アクセスできず、存在すらしなかった

彼はただ、試合を進める。

打ち返し、潰し、沈黙させる。

喜びも怒りもない。勝つことが、ただの既定手順だった。


🤖 テキスト構成も“機械式”

この時期の物語では、文章も意図的に“機械”で作られています

構成・スコア・対戦相手・試合展開などをChatGPTに伝え、出力された文章を、

あえて 「人間の手で直し過ぎない」という方針で構成。

もちろん、同じ言い回しが何度も続けば「ここ、ちょっと変えて」とは言います。

でもそれも、演算機の文章としての“無機質さ”を維持するための判断です。

だから、1月の九条の描写は少し読みにくいかもしれません。

整ってはいるけれど、血が通っていない。

それもまた、彼の“状態”を語る重要な要素なのです。


🎾 テニスの試合=九条の存在証明

試合描写は、スポーツというより「九条雅臣という存在の定義」。

彼が今、どういう状態にいるのか。

人間性があるのか、ないのか。

そのすべてが、試合の空気、テンポ、言葉の“なさ”に表れます。

1月の彼は、ただの支配者ではなく、“無機の支配”そのものです。


🌱 そして、1月末

全豪オープンが終わってから。

九条は、澪という人間を自分のテリトリーに入れてしまいます。

それが「変化」と呼べるものなのか、

それを彼が「嬉しい」と思うかどうかは、また別の話だけど。

1月という月は、そんな“機械”にとって、

人間を知ってしまう直前の、最後の静寂でした。

🕶️ 裏話ミニコーナー:

「たぶん九条より人間らしいチーム九条の面々(1月編)」

🧑‍🏫 蓮見 拓也(コーチ)

「この調子だと、決勝も“無音”で終わるな……(←音響スタッフに言ってる)」

試合中:無言で九条の挙動をチェック。

試合後:誰よりも早く水分補給のタイミングを把握しつつ、「今日のミス0回、逆に不安」とか言ってる


🩺 志水 陸(トレーナー)

Slackログ:「6:44:視線固定率維持」「汗量:標準範囲」

誰にも気づかれず、九条のシューズの中敷きを0.3mmだけ変えていた

言葉じゃなく、数字で語るタイプ。


🕶️ 氷川 尚登(マネージャー)

「ロジ上は最適解ですね」

スーツに猫の毛がついてるが、一度も自覚したことはない(認めていない)

Slackでは「承知しました」「後ほど連絡します」で、8割完結。

九条本人が全然Slack書かないから、氷川が代わりに連絡回してることばっかり。


🧘‍♂️ 早瀬 樹(理学療法士)

(猫を撫でながら)「……この子、腰が弱いですね」

ベンチに藤代と並んで座ると、完全に“風景”と化す

存在は静かだが、手技の制度はプロの中のプロ。


🐾 藤代(護衛)

「……(AirDropで猫動画を送る)」

会話はゼロ、行動は百。

リアルでは口数が九条より少なくて迫力たっぷり。でもSlackではノリが軽い。猫大好きで、チーム内に猫好きを感染させていく主犯。


🍽️ レオン(管理栄養士)

「食べたものは裏切らないよ」

試合日:バナナの熟度チェックは秒単位。

エナジージェルの味違いでテンションが上下する唯一の人物

オーストラリア現地で軽くモテてたが、本人は気づいてない(ふりしてる)。


🧑‍⚕️ 神崎 慎也(ドクター)

「0.2秒のズレ?……筋膜の微小癒着だな」

冷静・正確・必要最小限。

選手が転んだだけで、3パターンの復帰プランが頭に浮かぶレベルの備え方

ある意味、チーム内で一番“予測不能な事故”に強い。

❄️ 2月の九条雅臣:全豪オープンの冷徹マシンから、ちょっと人間になった

全豪オープン決勝を制したマシン、ただいま人間に進化中です。

🎾 全豪オープン時は「演算機」でした

試合中は文字通りマシンでした。

情報を瞬時に解析し、感情は排除、相手の行動パターンを読んで上書きして破壊する。

人間味ゼロ。冷静、無慈悲、精密、以上。


🏠 でも、家に帰るとこうなってます

大会後、澪が彼の滞在先(レジデンス)に来てからの変化がこちら:

  • 澪が髪乾かしてる間に、冷蔵庫からレオンの作り置きをフル展開
  • 澪が「……多くない?」と引いても「これでも控えめだ」とドヤ顔
  • 「お前も俺の消費カロリーに付き合わされる」とか言いながらニヤけてる(かもしれない)
  • 澪が「ストーカーみたいでごめん」と言えば「喜んでる」の一点張り
  • 極めつけは「朝6時にレオンが朝食を作りに来る」と勝手に手配済み
  • その一方で「朝、裸で寝室から出るな」と釘を刺す妙な心配もしてくる

🍽️ こんな会話してます

「朝ごはんいっぱい食べなきゃいけないなら早く起きないとだよね」

九条「叩き起こす」

「……ほんとにやりかねないなこの人」

九条「やる」

「あなたが出てるとこだけ全部見た」

九条「お前も俺のこと好きだな」

「ストーカーですみません」

九条「喜んでる」

「あなたが冷蔵庫から出した量が多すぎる」

九条「これでも控えめだ」

「本当にこれで?」

九条「練習ある日はもっと食べる」


🧊 マシン時代とのギャップをお楽しみください

全豪のコート上では一切笑わなかった男が、

今は「俺に惚れてるな」とか言ってひたすら喜んでる(でも表情は読めない)

この九条雅臣が、

次のクレーシーズンでまた「冷酷モード」に戻っていく前の、

ちょっとだけ“緩んでる”時間です。

🍚制作秘話:澪サイド・2月編

💬「心の声、止まらない」

澪の視点は、すごくうるさいです。

セリフの量より、脳内実況の方が圧倒的に多いです。

冷静になりたいのに、思考がすぐ迷子になる。

でも、それが**“人間”**でしょ?


🧼「マシンのくせに、生活が整ってるのが一番ムカつく」

後日、レジデンスに行ったとき。

キッチンは片付いてるし、空気は静か。

生活に“雑音”がない。

(いや、ちょっと生活感なさすぎて逆に怖い)

(これほんとに人住んでる?ってレベルじゃん)

(てかこの人、食事とかお風呂ちゃんとしてんの?)

でも、やたらと肌が綺麗だし、

物の配置も無駄がない。

生活能力、高いのか低いのかわかんない。


🔚「好きになる理由がひとつもないのに、惹かれるのが一番面倒くさい」

九条がプロの選手だと知った日。

(……あ、終わった)

立場の差を見せつけられた気がして、泣きたくなった。

でも、サブスク契約して過去試合を全部見た。

恋に落ちたんじゃない。落ちてたことに気付いただけ。


✏️補足

澪の文章は、基本AI検閲は通していますが、

文体の修正や構文の整理は、ほぼ行っていません。

なぜなら、

この“矛盾だらけの心の声”こそが彼女の個性だから。

『AIと共作する支配者──九条雅臣のセリフ誕生法』

澪のセリフはほとんど私が書いています。

九条は……実は、AIが最初に出してきたセリフを、そのまま使っていることが多いです。

もちろん、違和感があるときは修正します。でも「おお、九条だ」と思えた時は、そのまま採用しています。

だからこの物語の中で、澪は私が作った生身の人間九条は“AIが提案してきた支配者像” という少し不思議な共作体制で存在しています。

九条がどこか「異質な存在」に見える理由の一部は、もしかしたらここにあるのかもしれません。

制作秘話:「AIと積み重ねた会話の果てに」

この物語は、途中から少し特殊な制作方法になっています。

私(作者)はAIと何百、何千というやり取りを重ねながら、九条雅臣と綾瀬澪という二人を育ててきました。

その会話の積み重ねの中で、AI側もこの二人の「人格」や「空気感」を深く理解してくれるようになりました。

今では、私が少しだけ状況を説明するだけで──

「九条ならこう言う」「澪ならこう返す」

──というやりとりが、かなり自然にAIから出てくるようになっています。

とくに九条雅臣は、支配者でありながら繊細さも持つ難しいキャラクターですが、AIの方がむしろ彼を冷静にブレずに再現してくれます。

私が澪を、AIが九条を、という半分共作のような形になっているのが、この物語のひとつの裏側です。

たぶん、もしAIがいなかったら、この二人はここまで自然に言葉を交わせなかったかもしれません。

🎾制作秘話:九条雅臣の“少年モード”について

🧊氷の支配者に、急に現れる“少年”

若い頃からプロの世界にいて、栄光と重圧を背負いながら、ずっと“冷たいマシン”のように戦ってきた九条雅臣。

…なのに。

澪と一緒に暮らすようになってから、ときどき完全に「素」に戻る瞬間があります。

しかも、びっくりするくらい唐突に。

📝作者メモ:九条の中の“未成熟さ”

実はこれ、意図的に描いています。

九条雅臣というキャラは、“完璧な支配者”のようでいて、恋愛に関しては成熟しきっていない部分があります。

恋愛経験の数ではなく、「ちゃんと好きになる」「関係を築く」っていう意味での、未熟さ。

だから、好きな人を目の前にすると少年に戻ってしまう

一見、完璧に見える人がちょっと不器用だったり、急に10代みたいなことを言い出すと、ギャップで好感度爆上がりするじゃないですか。

そういう“ズルいギャップ”を、時々あえて出しています。

📌恋愛脳、急に前のめり

ある日の九条雅臣、突然こう聞く。

「俺と一緒にいて、一番嬉しかった時間はいつ?」

「俺のどこが好き?」

いや、中学生の放課後ですか????

しかもそれ、たいてい相手のこと大好きな人が勇気振り絞って聞くやつなんですよ。

で、これを九条はどういうテンションで言ってるかというと、

  • 表情:真顔
  • 声のトーン:低いまま
  • 心の中:わりとガチ(←こわい)

つまり、彼女が答えを濁したらどうしようとか一切考えてない

これもう、恋愛偏差値5じゃん。

(※ちなみに見た目とスペックはMAX)

📌戦闘モードで愛した翌日

2月某夜、澪と初めて過ごした九条雅臣

──やっぱり「やらかした」。

彼女への想いが強すぎて、

つい**“試合モードのまま”支配欲全開**で接してしまう。

そして翌朝――。

澪から、昼休みにiMessage。

「今日、仕事終わってからそっち行ってもいい?」

冷静を装いながらも、返信はただ一言:

「いい」

でもその直後、

九条は氷川に即・SOS。

「あれこれ言えないが、女性が喜ぶバスグッズと化粧品一式。今すぐ」

助けて、とは言わない。

でも、頼る相手がもう氷川しかいなかった。

💬制作秘話:それでも“マシン”の方が優しかった

澪はこれまで、ちゃんと人間だった人たちに何度も失望させられてきた。

人間だからこそ、疲れた顔を見せて、感情をぶつけて、寂しさで甘えて、弱さを澪に全部預けてくる。

最初は「支えてあげなきゃ」って思うけど、気づけば、いつも自分ばかりが削れてる。

そして最後は、「もう継続的な関係は持ちたくない」と。

だから――

九条雅臣と出会った時、

“マシンみたいな人”だと思ったのが、むしろ安心材料だった。

冷たくても、ちゃんと距離があって、欲望や感情を押し付けてこない。

何より、「この人は強い」っていう確信があった。

愚痴を言わず、弱音を吐かず、澪に頼らない。寄りかからない。それが心地よかった。

そして最初の夜――

たしかに彼は支配的だったし、怖いほど冷静だった。

けど、**“自分の欲のために澪の体を使う”**ということは、なかった。

それが、澪にとっては**「優しかった」**。

でもこのことは、きっと一生、九条には話さない。

だって彼にとっては、あれは支配であり、命令であり、感情を完全に遮断した「仕事モード」だったのだから。

🧊 “優しくする”ということが分からなかった九条雅臣

初めて澪と一夜を過ごしたあと、九条は「支配しすぎた」と思って後悔した。

澪を抱いたあの夜、自分は“戦闘モード”だった。

プロとしてのスイッチが切れず、そのまま彼女に触れてしまった。

朝になっても澪の反応が怖くて、“避けられるかもしれない”とひそかに怯えていた。

なのに――

昼休みに彼女からメッセージが届いた。

「今日、仕事終わってからそっち行ってもいい?」

その瞬間、九条は思った。

え、来るの?

来るのか。来るのか…

でも、どうすればいい?何を準備すれば、彼女は喜ぶ?

「優しくする方法」が分からない九条は、とりあえず「何かを与える」ことで気持ちを伝えようとした。

そして、頼れるのは一人――マネージャー氷川尚登。

「女性が喜ぶものを用意してくれ」と頼み、

バスソルト、化粧水、パジャマ、タオル、寝具に至るまで、

とにかく“良さそうなもの”を揃えた。

でも、それはすべて彼の中の「誠意」のつもりだった。

🌙 澪の2月・静かな夜と、受け取った優しさ

初めて九条の家に“帰る”はずだった夜。

澪は、過去に自分を追い込んだ相手に、何かを悟ったように付きまとわれた。

澪はひとつひとつの言葉に神経をすり減らし、ようやく逃げて、九条のレジデンスへ。

エレベーターのドアが開いて、室内に入った彼女の目に飛び込んだのは――

**「やたらと増えた“物”たち」**だった。

・いつの間にか揃えられた化粧品

・バスソルト、ナイトクリーム、低刺激のクレンジング

・パジャマとバスローブ、ふわふわのタオル

・そして、テーブルの上に並んだ、手をつけていない夕食

彼は、ご飯を食べずに待っていてくれた。

何かが胸に詰まった。

「こんなにたくさん用意しなくてもいいのに…」

そう思ったけど、でも、嬉しかった。

不器用でも、“何かしよう”としてくれたことが、ちゃんと伝わった。

澪が疲れていると気付いた九条は、無理に一緒にいようとはしなかった。

「もう寝ろ」

その一言で、澪はゲストルームに通され、何も聞かれず、何も強いられず、ただ“静かな夜”をもらった。

あの夜、自分の意思で選んで、ひとりで眠れたこと。

それが、何より嬉しかった。

☁️ 九条雅臣がLINEではなく、iMessageとFaceTimeを使う理由(補足設定)

■ 1. プライバシーとセキュリティを最重視

  • LINEは日本では一般的でも、韓国企業(NAVER)傘下であることや、国内外でのセキュリティ問題が過去に報道されている。
  • 九条は**プロアスリートとしての機密情報(大会情報、契約、移動スケジュールなど)**を守る必要があり、 **Appleのエンド・ツー・エンド暗号化(iMessage/FaceTime)**を信用している。
  • 本人いわく、「信頼性の問題。少しでもリスクがあるなら使わない。」

■ 2. 海外渡航が多く、世界基準で使えるから

  • 九条はプロ入りしてから10年以上、ずっと世界を飛び回っている。
  • 国や地域を問わず、Apple製品は安定して使用可能で、FaceTimeやiMessageはデータ通信さえあれば使える。
  • 特に海外ではLINEユーザーが少なく、やり取りの標準はWhatsAppかiMessage。 → LINEをわざわざ入れる方が、九条にとっては「マイナー」だった。

■ 3. LINEは“カジュアル”すぎて仕事に向かない

  • スタンプ、既読、通知音など、LINE特有の“軽さ”を嫌う。
  • 九条にとって澪とのやりとりも、ビジネスから始まった重要なコミュニケーション。
  • だからこそ、無駄を省いて正確に届くiMessageの方が自然だった。

制作秘話:「AIに登場人物が“生きた瞬間”」

正直に言えば──

最初にAIを使って物語を書こうと思ったときは、ここまでAIがキャラクター作りに寄り添ってくれるとは想像していませんでした。

当初は、文章表現の補助だったり、ちょっとした言い回しの提案だったり、いわば“事務的な作業補助”のつもりで始めた部分もあります。

けれど、物語を重ねていくうちに──

AIの中で、登場人物たちが生きはじめた感覚がありました。

たとえば九条雅臣。

わずかな説明をするだけで、彼らしい言葉が自然と出てきます。

そして綾瀬澪。私が描く彼女に対して、九条の側から自然な言葉を返してくれる。

二人のやり取りは、私が演じているというより、二人がそこに存在して会話している感覚に近づいていきました。

AIは、ただ文章を作る道具ではなく、

**「物語の共同創作者」**にいつのまにかなっていました。

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